グレミャーシチイ (駆逐艦・3代)

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ヴェドゥーシチイ
グレミャーシチイ
1993年7月1日、北大西洋上を進むグレミャーシチイ
艦歴
ヴェドゥーシチイ
Ведущий
起工 1984年11月23日 第190造船工場
所属 ソ連海軍北方艦隊
進水 1987年3月30日
グレミャーシチイ
Гремящий
改称 1988年8月8日
竣工 1988年12月30日
所属 ソ連海軍北方艦隊
ロシア海軍北方艦隊
除籍 2007年12月9日
要目
艦種 駆逐艦
艦型 956号計画「サールィチ」型
工場番号 870
排水量 基準排水量 6500 t
満載排水量 7940 t
全長 156.37 m
全幅 17.19 m
喫水 7.79 m
機関 蒸気タービン2 基 99500 馬力(73100 kWt)
KVG-5 4 基
推進 2推進
電源 ディーゼル発電機4 基 各600 kWt
タービン発動機2 基 各1250 kWt
速力 最大速度 33.4 kn
巡航速度 18.4 kn
航続距離 2400 /32 kn
4500 浬/18.4 kn
乗員 士官 31 名
水兵 313 名
武装 KT-190「モスキート」4連装艦対艦ミサイル発射機 2 基(3M80「モスキート」ミサイル8 発)
3K90 M-22「ウラガーン」艦対空ミサイル連装発射機 1 基(9M38Mミサイル48 発)
130 mm連装両用AK-130 2 基
30 mm6砲身機関砲AK-630M 4 基
533 mm2連装魚雷発射管DTA-53 2 基
6連装対潜ロケット弾発射機RBU-1000「スメールチ3」 2 基(RGB-10ロケット48 発)
機雷 40 個
レーダー 対空・対水上捜索照準3次元レーダーMR-750「フレガートMA」 1 基
水上捜索照準レーダー「ヴォールガ」 3 基
射撃管制レーダー 「ミネラール」(「モスキート」用) 1 基
MR-700「オレーフ」(「ウラガーン」用) 6 基
MR-184「レーフ218M」(130 mm砲用) 1 基
MR-123「ヴィーンペル」(CIWS用) 2 基
ソナー MGK-335S「プラーチナS」 1 基
水中通信システムMG-7 1 基
電子戦装備 MR-405M「スタールト2」 1 基
チャフフレア連装発射機PK-2 2 基
チャフ・フレア10連装発射機PK-10「スメールイ」 8 基
諸装備 光学航法システムDVU-2 1 基
電波航法システム 2 基
通信システム 1 式
敵味方識別装置 各種
搭載機 Ka-27PS/PL 1 機

グレミャーシチイ(ロシア語:Гремящийグリミャーシイ)は、ソ連ロシア連邦駆逐艦(艦隊水雷艇:Эскадренный миноносец)である。艦名は、「轟く、鳴り響く」といった意味のロシア語の形容詞で、大祖国戦争中の武勲艦を記念した名称である。

概要[編集]

1984年10月30日956号計画「サールィチ」型駆逐艦の16番艦となる工場番号第870号艦がソ連海軍に登録された。この艦は、同年11月23日にレニングラート(現サンクトペテルブルク)の第190造船工場(A・A・ジュダーノフ記念工場、現セヴェルナヤ造船所)で起工、「先導の」といった意味のロシア語の形容詞からヴェドゥーシチイ(Ведущийヴィドゥーシイ)と命名された。1987年3月30日には進水1988年12月30日には竣工となった。なお、その間1988年8月8日付けで艦名はグレミャーシチイに改められた。

改名に際し、1988年8月18日からグレミャーシチイは親衛海軍旗を掲げている。これは、そもそもは初代のグレミャーシチイ(7号計画型)の武勲に報いて与えられた名誉称号で、2代目のグレミャーシチイ(57-bis/57-A号計画型)を経て3代目となるグレミャーシチイ(956号計画型)に引き継がれたものである。こうしたことから、グレミャーシチイは「親衛駆逐艦」(Гвардейский эскадренный миноносец)の称号を用いることを許されている。

1989年5月1日メーデーには赤旗受賞北方艦隊に配属された。1990年6月25日から7月1日にかけては、キューバハバナを訪問した。1991年ソビエト連邦の崩壊により、グレミャーシチイはロシア海軍に転属した。

1993年5月25日から6月1日にかけては、イギリスリヴァプールで開催された大西洋の戦い50周年記念式典に参加した。しかし、1990年代中期以降、その活動は低調になった。これは、北方艦隊が所有する複数の原子力潜水艦重航空巡洋艦ミサイル巡洋艦などに艦隊の精力を殺がれているためであると分析されている。グレミャーシチイは、1998年からはセヴェロモルスクの停泊地に泊められており、第2ランクの保管状態に入れられている。

なお、ジェーン海軍年鑑をはじめ西側諸国の専門機関では活動の活発なアドミラール・ウシャコーフロシア語版を除く北方艦隊のソヴレメンヌイ級を「退役」させており、グレミャーシチイも2000年から現役リストから外されている。しかし実際には、2000年当時は4隻の956号計画型が現役状態にあった[1]

2007年12月9日、親衛駆逐艦グレミャーシチイ(3代目)はロシア海軍籍から除かれ、代わって同型艦ベズーデルジュヌイが改名、4代目の親衛駆逐艦グレミャーシチイとなった[2][3][4]

脚注[編集]

  1. ^ 「956号計画型親衛駆逐艦『グレミャーシチイ』と病院船『スヴィーリ』、2007年9月9日19時40分(Гвардейский эскадренный миноносец проекта 956 "Гремящий" и госпитальное судно "Свирь", 9 сентября 2007 года 19:40)」から明らかなように、グレミャーシチイの艦首にはロシア海軍の現役艦であることを示す聖アンドレイ旗が掲揚されており、喫水線付近からは排水も見られる。僚艦ベズーデルジュヌイのように明らかな活動が確認されているわけではないとはいえ、これを退役状態と分析するのは却って不自然である。なお、北方艦隊には合わせて9隻の956型が配備され、2008年現在残存するのは3隻となっている。
  2. ^ «Безудержный» стал «Гремящим» - новости онлайн - Chelyabinsk.ru - агентство новостей (ロシア語)
  3. ^ Новости 12 декабря 2007 Челябинск общество Подшефный Челябинской области эсминец «Безудержный» принял новое имя «Гремящий» (ロシア語)
  4. ^ Подшефный эсминец Челябинской области переименовали — Илья Изотов.""Безудержный" стал "Гремящим"" — Российская Газета — Эскадренный миноносец Северного флота "Безудержный", на котором традиционно служат южноуральские новобранцы, получил имя с 244-летней историей. Он удостоен чести принять историческое имя "Гремящий", которое переходит от корабля к кораблю с 1763 года. Сегодня "Гремящий" - единственный корабль первого ранга, который имеет звание "Гвардейский" на Северном флоте. Челябинский "Гремящий" - в истории уже десятый (ロシア語)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]